高血圧症の食事療法 ~毎日の食事が血圧改善の第一歩~

高血圧症の治療では、薬物療法だけでなく食事療法が非常に重要です。実際に、食生活を見直すことで血圧が改善し、お薬の量を減らせる場合もあります。
高血圧は自覚症状が少ないため軽視されがちですが、放置すると脳卒中や心筋梗塞、腎臓病などの重大な病気につながる可能性があります。日々の食事を少しずつ工夫することで、ご自身の将来の健康は自分で守るという意識を持ちましょう。
1.なぜ食事が血圧に影響するのか
血圧は血液量や血管の状態によって変化します。
塩分(ナトリウム)を摂り過ぎると体内に水分が溜まりやすくなり、血液量が増加して血圧が上昇します。また、肥満や栄養バランスの乱れも血圧上昇の原因となります。
そのため、高血圧の食事療法では、以下に挙げることが重要になります。
• 塩分を減らす
• 適正体重を維持する
• 栄養バランスを整える
2.まずは減塩を意識しましょう
高血圧治療において最も重要な食事療法が減塩です。
日本高血圧学会では、高血圧患者さんの塩分摂取量を1日6g未満にすることを推奨しています。しかし、日本人の平均摂取量は約10g前後とされており、多くの方が必要以上に塩分を摂っています。
塩分が多い食品
• 漬物
• 梅干し
• インスタント食品
• カップ麺
• ハムやソーセージ
• 干物
• 練り製品
• 佃煮
• 味噌汁やスープ類
特に麺類のスープには多くの塩分が含まれるため、汁を飲み干さないことが大切です。
減塩のコツ
• 醤油やソースは「かける」より「つける」
• 出汁や香辛料、柑橘類を活用する
• 減塩調味料を利用する
• 加工食品を控える
• 味噌汁は1日1杯程度にする
薄味に慣れると、自然と塩分摂取量を減らせるようになります。
3.カリウムを積極的に摂りましょう
カリウムには余分なナトリウムを体外へ排出する働きがあります。
ただし、慢性腎臓病などでカリウム制限が必要な方は注意が必要です。医師の指示に従いましょう。
カリウムを多く含む食品
• バナナ
• キウイ
• みかん
• アボカド
• ほうれん草
• 小松菜
• ブロッコリー
• トマト
• じゃがいも
• さつまいも
• 大豆製品
4.野菜をしっかり食べましょう
野菜にはカリウムや食物繊維、抗酸化物質が豊富に含まれています。
食物繊維は脂質やコレステロールの吸収を抑制したり血糖値の急上昇を抑えたりする効果があり、生活習慣病全体の予防につながります。
1日の野菜摂取目標は350g以上です。
• サラダ
• おひたし
• 温野菜
• 野菜スープ
など調理方法を工夫して、積極的に摂るよう心掛けましょう。
5.肥満を予防することも大切です
肥満は高血圧の大きな危険因子です。
体重が増えると心臓や血管への負担が大きくなり、血圧が上昇しやすくなります。
食べ過ぎを避け、以下を心掛けましょう。
• 腹八分目を意識する
• 間食を減らす
• 甘い飲み物を控える
• 夜遅い食事を避ける
6.アルコールは適量を守りましょう
少量の飲酒であれば大きな問題にならない場合もありますが、過度の飲酒は血圧上昇の原因となります。
一般的な目安として、
• ビール(5%):500mLまで
• 日本酒(15%):180mLまで
• 焼酎(25%):110mLまで
が推奨されています。女性はアルコール分解(代謝)酵素の働きが男性よりも弱いことなどから、上記よりも1/2~2/3に制限することが勧められています。
また、休肝日を設けることも大切です。
7.まとめ
高血圧の食事療法で最も重要なのは「減塩」です。しかし、塩分だけでなく、野菜や果物を積極的に摂り、適正体重を維持することも血圧改善には欠かせません。
食事療法は特別なものではなく、毎日の積み重ねが大切です。無理なく続けられる方法を見つけ、健康的な生活習慣を身につけましょう。
健康診断で血圧が高いと言われた方や、ご自宅での血圧が気になる方は、お気軽にご相談ください。