ヤマサキ胃腸科クリニック

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コラム

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2026.02.23
高血圧

診察室では見えない「本当の血圧」を知っていますか?

 

診察室で血圧を測る際、「家で測る値と全然違うんです」「病院だと緊張して高くなってしまって…」というお話をよく伺います。実はこれ、私たち医師にとっても非常に重要な情報です。

今回は、なぜ診察の時に測る血圧だけでなく、「家庭での血圧測定」が大切なのか、その理由をお伝えします。

 

 

1. 診察室血圧は「よそ行きの顔」?

診察室血圧とは、病院を受診したときに測る血圧のことですが、病院では緊張してしまい高くなってしまうことを「白衣高血圧」と呼びます。一方で、診察室では正常なのに、自宅や職場でだけ血圧が高くなる「仮面高血圧」というタイプも存在します。早朝の血圧が高い「早朝高血圧」や仕事のストレスで血圧が上がる「職場血圧」などが含まれます。

血圧は体調や天候、ストレスなどの様々な要因で変動するため、日常生活の中でリラックスした状態で測定する家庭血圧は、より実際の血圧を反映しているとされています。また、診察室血圧は一般的に日中測定するため、早朝に血圧が高くなる「早朝高血圧」などは家庭血圧を測っていないと見逃されてしまうことになります。

実は、脳卒中や心筋梗塞などのリスクをより正確に予測できるのも、診察室血圧よりも「家庭でリラックスし状態で測った値」であることが分かっています。

 

 

2. 家庭で血圧を測る「3つのメリット」

「毎日測るのは面倒…」と感じるかもしれませんが、測定にはこんなに大きなメリットがあります。

 

お薬の調整がスムーズに

診察室と家庭での血圧の差が10~15mmHgほど異なることはまれではなく、診察室血圧だけではお薬が効きすぎている(下がりすぎている)場合や、逆に足りない場合があります。家庭血圧を測ることで患者さん一人ひとりに合った処方をすることができます。

 

「隠れた異常」に気づける

服薬治療を受けている患者さんにも、早朝や就寝前など病院が開いていない時間帯の血圧が高くなっている方がいます。原因は服用した降圧薬の効果が切れてしまうことです。お薬の種類や服用時間を変更することで、血圧の改善が期待できます。

 

体調の変化に敏感になれる

数値として記録に残すことで、「昨日は塩分を摂りすぎたかな?」「今日はよく眠れたから良い値だな」と、ご自身の体調管理への意識が高まります。

 

 

3. 正しく測るための「1・2・3」ルール

せっかく測るなら、正しい方法で。ポイントはシンプルに3つです。

1. タイミング:起床後1時間以内(お手洗いを済ませて朝食前)と、寝る前の2回。

2. 姿勢:椅子に座って1〜2分安静にしてから。腕帯(カフ)は心臓と同じ高さに。

3. 記録:1回だけでなく、ノートやアプリに継続して記録すること。

現在市販されている血圧計には上腕式、手首式などがありますが、最も精度が高く推奨されているのは上腕式の自動電子血圧計です。手首式は携帯性に優れていますが、測定時の位置により誤差が生じやすくなります。

 

 

4. 家庭での血圧測定で健康を守りましょう

高血圧の治療目標は診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75未満とされています。

私たち医師が適切な治療を判断する上で、皆さんが毎日つけてくださる血圧の記録は、とても大切な「資料」になります。

日々の血圧変化を把握することで、皆さんの体調や食事、睡眠などの生活習慣の変化について気にかけ、必要に応じて対応することができようになります。

また、すでに服薬治療を受けていても「今のお薬で合っているのかな?」「最近、少し高い気がする」などのお悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。そのように、ご自身が受けている治療に関心を持っていただくことは、血圧治療を継続していく上でとても大切なことです。ぜひ、次回の診察時にご相談ください。

当院では血圧手帳をお渡しすることもできますので、無理のない範囲で、まずは1日1回の血圧測定から始めてみませんか?

 

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