主な症状
- キリキリ、シクシクする痛み
- 差し込むような、ねじれるような痛み
- 食後、空腹時にみぞおちが痛む
- 痛みが強く、冷や汗がでる
- 吐き気、嘔吐を伴う
- 黒っぽい便(タール便)がでる
胃の痛みは、みぞおちのあたりに感じる痛みや不快感で、多くの方が経験する症状です。
その原因は様々で、何かしらの病気が隠れている場合があります。
一度に大量に食べたり、飲み過ぎたりすると、胃に過度な負担がかかり、消化不良を起こして痛みにつながることがあります。また、食べ過ぎ、飲み過ぎ、ストレス、特定の薬剤(鎮痛剤など)が原因で、急に胃の粘膜が炎症を起こすことがあります(急性胃炎)。
加熱が不十分な肉や生の魚介類などを摂取すると、ウイルスや細菌、寄生虫などが、胃や腸で炎症を引き起こすことがあります(感染性胃腸炎)。アジ・サバ・イカなどを生で食べた後、数時間から数日後に突然激しい胃の痛みや吐き気などの症状が現れた場合は、アニサキス症の可能性があります。アニサキス症は、アニサキスという寄生虫が胃や腸に嚙みついて、アレルギー反応を引き起こすことで痛みが生じると考えられています。
精神的なストレスは、自律神経のバランスを崩し、胃酸の分泌が過剰となることで、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となることがあります。胃・十二指腸潰瘍の主な原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌感染と非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の服用ですが、ストレスも潰瘍の発症や悪化に深く関与していると考えられています。
ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると、持続的な炎症(慢性胃炎)を引き起こします。この炎症が長く続くことで、胃の粘膜が本来持っている防御機能(胃酸から胃を守る力)が徐々に低下します。胃酸や消化酵素(攻撃因子)と、胃の粘膜を保護する力(防御因子)のバランスが崩れることで、胃や十二指腸の粘膜が胃酸によって深くえぐられ、潰瘍が形成されます。十二指腸潰瘍の90%以上、胃潰瘍の70~80%がピロリ菌に感染しているとされています。
胆石があっても、無症状のまま一生を終える方も多くいます。しかし、胆石が胆のうの出口や胆管に詰まったり、胆のうの収縮によって胆石が動いたりすると、胆石発作や胆のう炎を引き起こし、みぞおち付近から右上腹部にかけて痛みを引き起こすことがあります。また、胆石やアルコールの大量摂取は、急性膵炎の原因となることがあり、みぞおちから背中にかけて激しい痛みを引き起こすことがあります。
胃の痛みは様々な原因で起こりますが、原因に応じた適切な治療と、日々の生活習慣の見直しが大切です。もし症状が続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
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